エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を受講して | 南記念クリニック
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エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を受講して

エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を受講して

R2年2月3日

 

終末期医療を「人生の最終段階における医療」とし、この人生の最終段階に対応できる人材育成を目的に、これまで全国で91回にわたる講座が開催されています。2月1日から2日の2日間にわたり、小澤竹俊先生を講師とし講義とロールプレイを交えた密度の濃い内容でした。今回、初の鹿児島開催という事もあり県内から220名の一般から医療までの方が参加され、盛り上がりを見せていました。

2012年に内閣府が行った「高齢者の健康に関する意識調査」によると、60%近い方が「自宅」を「最後を迎えたい場所」と答えています。国は、地域での看取り体制の確保を推進して行くために、2015年の介護保法の改正で、「在宅医療・介護の連携推進」を制度化し、サポート体制を各市町村で整われつつあります。先だって1月30日に指宿でもACPに関する講演会が行われ参加しています。それぞれの立場で担う役割が明確化していますが、医療において技術は練習すれが習得できますが、実際人生の最終段階にある患者様、それを支えるご家族様関わる中にマニュアルなど画一化された対応はできるものではありません。これまで在宅や施設での看取りに多々携わる中で、「希望した家で最期を迎えることができるお手伝いができてよかった」と思う反面、「あの時、あの状態で答えた内容でよかったのか」「もっと何かできることが自分たちにはなかったのか」と思うことも事実でした。看護師経験を重ねても見つからない答えがわかるのではないかと考え、学びたい・自信をつけたいという思いがきっかけで今回の講座に参加しました。

今回の講座を通し、我々のソフト面をいかに鍛えるか。それによりおのずと人生最終段階から看取りまで、苦手意識なく自信を持ち関われることでより良いサポートが提供できる我々スタッフの「支え」となる講座でした。

「穏やかであること」がすべてのキーワードとして各論の講義、そのたびにロールプレイを繰り返し、講義でわかったつもりでも実際ロールプレイでは思うようにできない自分を痛感しながら心と体が絶え間なく活性化される状況でした。

「苦しい」中にある患者さんやご家族は気持ちや本心を相手を選んで表出します。時間をかければ信頼関係の構築は可能です。ですが時間が限られた中ではどうか。それを可能にする方法として援助的コミュニケーションを学びました。患者さんやご家族が選ぶ相手は「苦しみ」をわかってくれる人・わかってくれようとする人です。どうすればそのような人になれるのか、それは『聴いてくれる人』でした。実際どうすればよいか、「聴く」ことは希望と現実に開きが起きてできる「苦しみ」をキャッチする感性が重要でした。反復・沈黙・問いかけの技法を用いることで可能となります。①相手のメッセージ(苦しみ)を言語化して返す「反復」②相手の心の準備ができるのを待つ「沈黙」③相手の支えを意識して尋ねる「問いかけ」。いずれも、患者様・ご家族が穏やかである為に言語・非言語的反応を見ながら「苦しみ」をキャッチし、問題を見出し言語化できるよう意識して関わることで限られた時間や状況においても関係性の構築は可能となることを学びました。ゴールとなるキーワードは「患者様・ご家族・かかわる私たちが穏やかであればいい」という事でした。

一般的な座学ではなく、ロールプレイを幾度と内容や立場を変え繰り返し、学びを実践することで伝えること、理解しようとすることの難しさを感じながらもこれからに活かせるという考えを持つことができました。

患者様は困難な場面においても支えにより穏やかになることができます。それは家族だけではなく医療者や友人、季節を感じる花など目に見えるものや、目には見えないが心の中にある宗教的要素も含みますが各個人「支え」が何かしらあります。

そんな中にあり、解決できる苦しみもあれば、できない苦しみもあり、その苦しみをわかってくれる人がいれば穏やかになれると学びました。我々サポートするスタッフも現場では実際様々な場面において、できない自分を間の当たりにし心の折れることもあります。その時に、問題に対し逃げずにかかわり続けるために求められることができない自分を認め、仲間や家族など「支え」に気づき折れないたおやかな心を持つ事で大きな苦しみを抱えた人にかかわること、人生最終段階の人々と関わることを続けられる礎になる「誰かの支えになろうとする人こそ一番、支えを必要としています」とあるように、一人ができることは限られていますが、同じ思い志しを持つ仲間と共にチームで支え合い、これからの看護を頑張っていきたいと思います。クリニックだけではなく、指宿市全体での仲間を作り大きなコミュニティーとして広がるよう今後も研修や学びを重ね地域に還元できる方法を含め継続していきたいと思います。今回の講座を通し、人材育成プロジェクトとしての講座が繰り返し行われることの必要性と意義を感じました。

 

南記念クリニック       看護師:折田利恵子 髙田賞子 仮屋悠子

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